救急車の利用は、有料化?無償化?

近年、日本でも議論が活発になっています。現在、日本では119番通報による救急車の利用は原則無料ですが、救急出動の増加や不要不急の利用が問題視されており、有料化の検討が進められています。

 

有料化の背景

  1. 救急出動の増加

  • 高齢化に伴い救急搬送の件数が増加。
  • 2022年には全国で約670万件の救急出動があり、一部では救急隊の負担が限界に近づいている。
  1. 不要不急の利用

  • 「タクシー代わり」など、本来救急搬送が必要でないケースも多い。
  • 軽症患者が増えることで、本当に救急医療を必要とする人への対応が遅れる。
  1. 財政負担の増大

  • 救急搬送には1回あたり約5万円のコストがかかるが、すべて公費負担。
  • 持続可能な救急医療体制の維持のため、一定の自己負担を求めるべきとの意見。

 

有料化のメリット・デメリット

 

✅ メリット

  • 不要不急の利用を抑制し、本当に必要な人が利用しやすくなる
  • 財政負担を軽減し、救急医療の持続可能性を高める
  • 他の医療資源(訪問診療・地域医療)との適切な役割分担が進む

 

❌ デメリット

  • 経済的理由で利用をためらい、救急搬送が遅れる可能性
  • 有料化の基準設定が難しく、線引きが曖昧になりやすい
  • 高齢者や低所得者にとって負担が大きい

 

各国の状況

  • アメリカ・カナダ:基本的に有料(数万円~数十万円)
  • ドイツ・フランス:自己負担あり(公的保険で一部補助)
  •  韓国:原則無料だが、一部都市で有料化の実験あり

 

まとめ

有料化・無償化それぞれにメリット・デメリットがあり、単純にどちらが良いかを決めるのは難しい問題ではありますが、最終的には「命を守る」という視点を最優先考えるべきだと感じます。また、もし有料化が進むのであれば、低所得者層への配慮や、無駄な利用を防ぐための適切な指導が重要になるのではないでしょうか。

また、急なケガや病気をしたとき、救急車を呼んだが方がいいか、今すぐに病院に行った方がいいかなど、判断に迷うときには『救急安心センター(♯7119)※1』で、専門家からアドバイスを受けることができる電話相談窓口もあります。

どのような制度を選択するにせよ、誰もが必要な時に躊躇なく救急車を呼べる社会が実現できることが理想です。そのためには、制度設計の際に市民一人ひとりの立場を十分に考慮し、バランスの取れた解決策を見つけていけるといいですね。

皆さんは有料化、無償化についてどう思われますか?

 

※1 https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html